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日々の記録

就活行き詰まり体操3・サザエさん体操撲滅運動

https://namaeshi.hatenablog.com/entry/2022/02/08/162454


↑これの続きです

 

私はサザエさん体操を中止に追い込むべく、脳内で計画を練り、ここ3日ほど、人にアンチサザエのメッセージを伝えることが自然にできるかシミュレーションをするなどしてサザエさん体操に備えていた。

うまくいけばラジオ体操に変更だし、中止にはならずとも、私はサザエさん体操に納得していないし、はっきりとアンチサザエであると表明して予定調和を崩しておくことにはそれなりの意義があると思った。


 計画は、まずは同期にそれとなく、「今日もサザエさん体操やるんですかね〜」とか聞いて、ああ!あれ嫌ですよね!という空気を作ることから始まる。

みんなにコンセンサスを取り付け、あらかじめ根回しをしてから、先生にあくまで自然に、かつ少し砕けた口調で「サザエさん体操、実はちょっと恥ずかしいんですよね!他のってないんですか?」とかなんとか言って交渉してみる、はずだった。

同居人によるダンサブルにアレンジ作戦(前回参照)よりだいぶ常識的で穏当である。

 

 しかし世の中そんなにうまくはいかない。

今日の昼休みに、さっそく後ろの席にいる何回か話したことがある女性に「今日もサザエさん体操やるんですかね〜」と話しかけてみた。

すると、「やると思いますけど、なんで?」と言われて、返答に詰まった。

「あれちょっと嫌じゃないですか?」と返すと、「簡単だから別にいいですよ、むしろなんで嫌なんですか?」と不思議そうにされて、沈黙が訪れた。

「ぶっちゃけ、ちょっと恥ずかしいかなーと思って?」と勇気を出して言うと、その人は、「一番後ろの席だから誰も見ていないし恥ずかしくないです」ときっぱり言い切った。


 私はサザエさん体操が簡単でも難しくてもそういう問題ではなくやりたくないし、私は私がサザエさん体操をやっているところを教室の誰もがろくに見てなくても、自分を見つめる自分の目を気にするという意味で公の場でサザエさん体操はやりたくない。

しかしそうじゃない人もいるという事実。

 

 サザエさん体操をすんなりできる人生とできない人生、どっちがいいのだろうと昼休みを使って考えこんでしまった。

 人生には最低限必要な葛藤だってあるぞ、とその人に反発を覚えつつ、サザエさん体操にまつわるそれが果たして人生に最低限必要な葛藤に当てはまるのか、こんな葛藤は単なる脳の無駄遣いではないか、などとも思い、自分の違和感に正当性があるのかだんだんわからなくなってきた。

 私がもしレディガガ並みに自己を確立して揺らがない人間だったらサザエさん体操なんかで自意識の問題を抱えたりせず、淡々とサザエさん体操ができるのではないか。

 まーなー、人はそれぞれ驚くほど感じ方や考え方が違うんだよなー、そう簡単にはいかない、さて、今日もサザエさん体操の時間だ、嫌すぎだグエエ、と覚悟して待ち構えていたら、今日はなんとサザエさん体操は行われなかった。

いや、ないのかよ。

あまりこだわりがなく、なんとなくやってるならなおさらあんなものに巻き込まないでほしい。


 同期は5人いるので、次のサザエさん体操に備えてアンチサザエに勧誘できる人材を探すべきだと思う。しかしアンチサザエが私だけでみんな親サザエだったらと思うと、つっこんだ自分を想像して今から冷たい視線を想像してびくついてしまう。多分アンチサザエがもう一人いないと私は戦えない。そのときは、訓練校の卒業式でサザエさん体操がとても嫌だったと正攻法で講師に伝えようと思う。次に訓練校に入る私のようなアンチサザエのために、汚れ役を買って出たい。